人蕩し術/人々の魅力とは。人々を惹きつける力とは。
今回読破し、素敵だなあと思った本はこちら
人蕩し術(ひとたらし術)
女たらしなどの、あの「たらし」です。
実は、この本1万円もする本で、かなり「秘蔵書物」のようなオーラを解き放っております。
会社の方から、おすすめされお貸ししていただきました。
さて、この本は冒頭このように始まります。
「魅は与によって生じ、求によって滅す。」
つまり、与えるものにしか、魅力は生じないと本書は定義するわけです。
では、ものを与えればよいのか。確かに、物や財などを与えることは、その人に魅力を発揮させる最も原型的な例であります。
が、財を与え続けると、自分が貧乏になり、結果人様に迷惑をかけるとなるのです。
人から好かれたい(=求)のために、大切な財を他人に与えつくしてしまうことは、結果他人から厄介になり、切られることに通じると本書は述べております。
では、そもそも「なぜ人は求めてしまうのか」「魅力とはいったい何なのか」「魅力を創る(つまり与える)にはどうしたらよいのか」これらを人間の本能から立ち返って本書は説明してくれます。
- なぜ人は求めるのか。
本書では、人間は5つの本能的衝動にて人々に求めまた与えることが出来ると言っている。
①生存本能
②群居衝動
③自己重要感
④性欲
⑤好奇心
①は、金や食物などの有形で満たされることができ、
②~⑤は笑顔や愛、思いやなど無形なものから満たされるそうです。
さて、人が求める理由。それは
①~⑤において、どこか足りていない状態を指します。
即ち、人々は恐れているのです。
飢えへの恐れ、孤独への恐れ、持てないことへの恐れ、劣等感の恐れ、無知への恐れ。
これらはすべて「自己愛」や「自己肯定」が足りていない状態から生じると考えられます。
だから、人の話を聞かずに自分の話をする(自己主張をすることで人から認められたい)ことや、プライドが高くなったり、高慢(=嫌味)になってしまったりするのです。
これが、求の正体です。
では、魅とは何か。
2.魅力とは一体何か
魅力とは、自己重要感が充足しており、陽気で、自分を愛し、相手を愛することが出来る力であります。
先ほど述べた「求」の状態。これらはすべて、自己卑下や、緊張の弛緩がうまくいかない状態が続いている状態なのです。
つまり、自分大切にし、自分を愛し、今の自分を認めている人こそが、魅力なのです。
魅力のある人は、自分の心に余裕がある。さらに、自分をしっかりと愛してあげている。
だからこそ、自分を愛することと同じように、他人を愛し、他人を大切にし、他人に手を差し伸べてあげることが出来るのです。
つまり、愛心の発動=与なのです。
では、どのようにしたら愛心を発動することが出来るのでしょうか。
3.魅をつくりだすには
方法は3つあります。
①心の緊張(恐怖)の弛緩のスキルを上げる。(中道を歩む。「獲得」「諦め」)
心の緊張は、自然発生的に起きてしまうので、仕方のないもの。だからこそ、弛緩する技術に注目するのです。弛緩をしなければ、人生の悩みは永遠に存続します。では、弛緩をするにはどうしたらよいか。2つ方法があります。「努力と才覚で欲するものを手に入れ、緊張を緩める」そして「到底得難いことを理解し、それをあきらめて緊張を緩める」この2点です。特に2つ目については相当時間が必要となります。自分の心をよく観察することから、弛緩ができると言えます。
「人生においては、まず自己弛緩の技術に長じ、それの達人となることが、幸福な人生創造への必須条件となる」
②自己重要感を自ら充足し、心身を救済する。
プライドが高い人は、求といえます。では、このプライドの高さはどこから来ているのか。答えは「自己重要感の欠乏」です。つまり、プライドが高いものを満たしてあげるには、自己重要感を満たしてあげることが大切なのです。しかし先にも述べた通り、自分が欠乏している状態では、他人に与えることが出来ません。
では、どのように、自己重要感を満たすのか。これには3つ答えがあります。「自分の弱点を補償するために、何らかの才能を磨き、それで世に問うこと。即ち自己表現欲を満たすこと。」「他人に喜びを与えるにはどのようにしたら良いか常に考え、思いやること。」「自己暗示(自分は優れた人間であると3回言う)」のである。
自画自賛は、少し恥ずかしい気もするが、しかし、自分をしっかりと認めて挙げられるのは、自分しかいない。他人に自分を認めてもらうことを求めているうちは、いつまでも自己重要感は得られないといえよう。
自己重要感がある人間は、幸福になれると言える。なぜならば、物の見方がポジティブであるからだ。
「幸福とはものそのものではなく、物の味だ」とあるように、どんなものや状況であろうとも、自分でそれを幸福と思えば、幸福なのだ。
魅力を得るだけではなく、幸せを得るためにも、自己肯定、自己重要感を満たすことは大切であると言える。
③好奇心を持つ。
3日坊主という言葉は日本ではかなり悪い意味で使われているが、それでもいいじゃないか。なんにでも興味を持ち、飽きたら捨てても構わない。なんにでも興味を持ち、試してみる。広く浅くでも良いじゃないか。
人生多事なのだから。
逆に、好奇心や興味を持てなくなる時、人々からは魅力が失われるという。
なぜならば、他人への関心や興味も失せることとなり、結果として人々に耳を傾けなくなる。(つまり、相手の重要感を満たすことが出来なくなる。)
知ることに喜びを感じることは、大前提で、それらを使い、他人へ与えていく。これが大切なことなのだ。
(知るだけだと、ただの自己満足で終了。)
※だから、本を読んで放電しないとダメ、だそう。。。自分に戒め。
4.魅力のある人間
いろいろと書いてきたが、人間には「良」もあれば、必ず「悪」もある。
闇があるからこそ、光があるように。むしろ、闇がなければ光がない。
どんなに魅力のある人間でも「悪」の部分は必ずある。
だからこそ、魅力のある人間=良ではないのだ。
魅力のある人間とは
良い部分も悪い部分も、すべてそれが自分自身であると受け入れ、認め「すべては二元対立である」という分別ができる人のことをいう。
そんな人間を、遊行者と呼ぶ。気負いもなく、自らの生を楽しみ、人々を明るくし、人生を楽しんで生きている人。これが魅力ある人間だ。
とどのつまり。
己に打ち克つ(克己)。
人蕩し(他人を支配)するには、まず己を支配すべし。
あくまで、これは「忍耐」や「我慢」から得られるものではなく
「陽転思考」であることを前提に進めることが重要です。
というのが、今回のこの人たらし術でした~。
己に打ち勝つということは、とても難しい気がしておりました。が!
あくまで陽転思考ですね。自分を認めてあげることは、決して苦しいことではない。
明るく前向きな気持ちで、自分を認めてあげることで、人々に幸せや笑顔、そして心の余裕を与えてあげることが出来るのですね。
私は、今社会人1年目で、なかなか自分の会社に与えることが出来ていないなと感じることが多いのですが。。。
それでも、もしかしたら毎日笑顔で楽しく前向きに生きていることで、誰かに何かを与えるきっかけになっているのかも。。と思いました。
この本を紹介し、進めてくださった会社の先輩にも、とても感謝をしたいと思います。
とても良い本に出逢えました。