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The Book Life

人生は、旅である!

砂漠/伊坂幸太郎

皆さんこんにちは。

Tokyoより、沙里那です。

 

今日は仕事も早く終わり、何となく学生時代に好きだった本に没頭しようと、久しぶりにこの本を手に取ってみました。

 

砂漠(伊坂幸太郎著)

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麻雀にちなんだ苗字を持つ5人がそれぞれの大学時代を過ごす。

そんな5人組の、大学4年間の物語。

 

この本に初めて出合ったのは、私が大学4年生の時。

出逢った当初は、すごく新鮮な気持ちになりましたね~。

大学1年生になったときに読みたかったなあなんて思ったり。

 

この本で私は本当に西嶋が好きですね~。

彼は、とても素直でまっすぐで、意思を持っていて、それでも伝え方や行動が不器用だから、なかなか周りからは理解されない。

最初は、主人公北村をはじめとして多くの人から理解されない場面が多くありました。

だから彼は最後に「俺は恵まれないことに慣れてますけどね、大学に入って、友達には恵まれましたよ」と言葉を残していきましたね。

 

この本には、なんてことない(ちょっぴり刺激的なハプニングもあるが)日常をつらつらと書かれている。

それでも、読むと、甘酸っぱい気持ちになり、心が、きゅぅううと締め付けられる気持ちになる。

大学時代は十人十色だが、この本は、多くの人に自分の楽しかった、輝いていた学生時代を思い出させてくれるのかもしれない。

 

かく言う私も、この本を読み、目の前には無限の可能性が広がっていると思っていた大学時代を思い出した。

 

まさに「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」なんです。

 

西嶋のセリフで、

目の前の人間を救えない人が、もっとでかいことで助けられるわけないじゃないですか。歴史なんて糞食らえですよ。目の前の危機を救えばいいじゃないですか。今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ。

というのがあり、今の自分にチクチクと刺さる言葉を投げかけてくれます。

 

砂漠を呼んでいると、ああ~、大学時代は良かったな、楽しかったな・・・

と本気で思います。たぶん。読んだ誰しもが、自分の大学時代を回顧し、ある人は自分の大学時代の友人に会いたくなったり、ある人は大学時代の輝かしい栄光を思い出したり。そんな一冊ではないかと思います。

 

社会人になり、まさに干からびたような毎日を過ごしている自分としては、オアシスのような日々だったんだな。輝いていたなと思いながら読んでいました・・・・

が、

 

さすが伊坂先生ですね。

 

最後の最後にくぎを刺しています。

卒業式の校長先生のお言葉。

 

「学生時代を思い出して懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ

 

は、はいいっ。。。。。。。

 

正直、大学時代には気づきませんでしたが、これはある種卒業していく、北村達一行への言葉ではなく、砂漠(社会)へと放り込まれた読者層に対しての言葉なのかもしれない。

 

大学時代に好きだった本に戻ってきてしまったあたりが、もう、私は今、オアシスだったなと逃げるようなことを考えていたのかもな。

 

とふと思いました。

 

四月、働きはじめた僕たちは、「社会」と呼ばれる砂漠の厳しい環境に、予想以上の苦労を強いられる。砂漠はからからに乾いていて、愚痴や嫌悪、諦観や嘆息でまみれ、僕たちはそこで毎日必死にもがき、乗り切り、そして、そのうちその場所にも馴染んでいくに違いない。

 

確かに、今私が生きている環境は、砂漠である。

予想以上の苦労にであい、毎日がプレッシャーを与えられ、終わらない業務、換算されない長時間労働。狭まっていく未来。将来への不安。

 

この1年は、オアシスのない砂漠へと放り込まれたようなものだった。

いつかは、この砂漠にもなじんでしまうのかな。オアシスのこと、忘れちゃうのかな。と少し不安だ。

 

が、

 

人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである

 

とあるように(実はこの言葉は、サンテグジュペリの本からの引用の言葉だが)、私には、夢を語る友人や、今別の砂漠環境に置かれながらも必死にもがいている友人が沢山いる。

前を向いて、未来を語れる友人がいる。

 

この最大の贅沢を味わえているうちは、きっと大丈夫。

そう信じてます。きっとまた、大学時代とは違ったオアシスにたどり着けるはず。

 

砂漠を久しぶりに読んで、特別な4年間にしか味わえないオアシスを回顧してしまっていた自分に、喝。

という事で、読書日記を記しておきました。

 

新たなオアシスを求め、明日からまた一歩踏み出していきます。